AIと人類

先日、”AIと人類“という書籍を本屋で見かけて著者陣の顔ぶれに惹かれて買って読んでみた。

元米国国務長官 ヘンリー・キッシンジャー、グーグル元CEO エリック・シュミット、MITシュワルツマン・カレッジ・オブ・コンピューティング初代学部長 ダニエル・ハッテンロッカーという豪華な顔ぶれ。

AIというと未来の話のように感じてしまいますが、既にわれわれの生活の中に着実に活用される場が広がってきている。

Google検索やTwitter、FacebookなどのソーシャルメディアやニュースのキュレーションサイトにはAIによる表示アルゴリズムが組み込まれていて知らず知らずのうちにAIが生活に影響を及ぼしてくるのは避けられない状況になっている。

国境を超えてグローバルな規模で展開し膨大なユーザを集め、それによってユーザに価値を提供するデジタルサービスを本書では“ネットワークプラットフォーム”と呼んでいる。そのネットワークプラットフォームが人間とAIの接点を多く生み出している。

これによって、これまで個人の理性や経験によって現実世界の理解をしてきたが、ネットワークプラットフォームの登場によってグローバルに普遍的な現実世界を理解するためのフィルターが現れた。確かにSNSなどが広まる前は国や地域を超えてグローバルに同じ価値観を共有するようなコミュニティは宗教以外にはなかったのかと思う。

またAIは、安全保障と世界秩序、人間のアイデンティティのあり方にも影響を与える。

SF映画のような人間と同じような姿で人間と同等以上の能力を持つようなアンドロイドが現れなくても、さまざまな場面で価値観や判断にAIが影響を与えているし、それを理解しながらこれからくる10年、20年を生きていかねばと思った。

ことあるごとに人類は三つの選択肢に直面するだろう。AIを制限するか。AIと組むか、あるいはAIに従うかだ。

本書の中で、今おきているデジタル化やAIの進歩は印刷技術の発展と比較されていたりするが、自分たちは今そのような大きな変化のある、おそらく100年後の歴史の教科書にはxxx革命などと呼ばれるであろう時代の中にいるのだろう。変化の中で問題もあるだろうし、便利でより良い生活に役立つこともあるだろうと思う。そういった中で、上記のようなどのように新しい事象と付き合っていくのかを見極められるようにしていきたい。

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