書評 ITエンジニアのための「人生戦略」の教科書

Kindle Unlimitedになっていた“ITエンジニアのための「人生戦略」の教科書”を読んでみました。

この本では著者がサラリーマンから独立して成功した体験が語られています。会社に所属しながらキャリアップするお話ではないので独立思考の方向けの内容です。独立に興味があれば1つの成功体験談として参考になるが、そうでない方にはあまり響かないかもしれない。わたしは現状、独立思考ではないですが、考え方で共感できる部分はあった。

いわゆるFIREとは違った形での経済的自立をし、完全リタイアするのではなく好きな時に、好きな場所で、好きなことで、好きな人と、好きな人に、と言う価値観で働けるようになること(「5 like method」と筆者は呼んでいる)を目指すというもの。

“お金のため” ではなく、好きなこと、やりたいことを持って生きる方が良いだろうというのは共感できる。

また、考え方の部分で共感できたのが、相手の立場に立って考えること。脊髄反射的に複雑であったり難しいことに対して”できない”と言うのでなく、できる範囲での協力、アドバイスをする姿勢、顧客の期待に応え続けるというのは信頼関係を構築するうえで色々な場面で大事なことだと思う。

安定的に搾取されている

会社員は安定しているのか?

安定と思っている状態は、実は搾取されている状態だと言う。

会社は利益を「内部留保」しています。会社の業績が悪い時にもこれを取り崩して給与の支払いに充てたりします。将来的に必ず支払われるわけではないので、本来自分が提供した価値よりも低く見積もられて給与という形で支払われていることになると。

また、できない社員からも搾取されているのだと言う。

給与は10倍貢献したからといって10倍給与がもらえる、とはならない。パフォーマンスが良い社員は実は損をしている。それが会社組織というものであると。

会社ではスキルと、1年以上生存できる軍資金を蓄えるのに利用してある程度の経験、スキル、お金を作ったら独立を検討してみるのも結構いいよ!っていうこと。

独立だけが道ではないかもしれないけど、独立したほうが実現が早いと思うし自分は成功したというのがこの本の著者の意見だと思う。

これからの時代、1つの会社で社員という雇用形態にとらわれず色々な選択肢を持つのが良いさそう。

総評

細かい体験談などは、独立しようと考えていない人にはあまり参考にならないかもしれない。

ただ、自分の働き方やライフスタイルについての選択肢を持つにはこの本のような働き方の提案にも耳を傾けてみると新しい発見があるかもしれない。

またITエンジニアの持っている知識や経験、情報を収集する能力はそうでない人にとって役立てることができる場面が結構ありそうというのは、みんななんらか経験されていると思う。例えば、親戚からPCの設定や不具合の相談を受けたりとか、エクセルの使い方を聞かれたりとかということである。

周りがエンジニアばかりのコミュニティにいると自身を過小評価してしまっていることもあるかもしれない。特定の技術や実装能力で他のエンジニアより優れていなくても他の貢献の道もありそうである。

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